国民年金の滞納処分として年金事務所が配偶者の預金を差押えに来ましたが、本人以外の預金を差押えできるのか

関連法律

国民年金法第88条(保険料の納付義務)

被保険者は、保険料を納付しなければならない。

2. 世帯主は、その世帯に属する被保険者の保険料を連帯して納付する義務を負う。

3. 配偶者の一方は、被保険者たる他方の保険料を連帯して納付する義務を負う。

平成28年6月17日現在

法令データ提供システムより引用

事例

年金事務所の職員が、保険料の滞納処分のため預金者Aの預金を差押えに来店しました。

預金者Aには反対債権があったため、差押えに応じることができませんでした。

翌日、再度年金事務所の職員が来店され、今度は預金者Aの配偶者である、預金者Bの預金を差押えするとのこと。

滞納者本人の預金が差押えられないならば、配偶者の預金を差し押さえるなんてそんなことができるのか?

というのが、今回の事例です。

対応

窓口担当者は本当に配偶者の預金の差押えに応じることができるか疑問だったため、年金事務所の職員にどのような根拠で配偶者の預金を差押えすることができるのかを尋ねました。回答は、上記に記載したとおり、国民年金法第88条に基づいているとのことでした。

そこで国民年金法を確認したところ、上記のように連帯納付という条項が確認できましたので、差押えに応じました。

注意点

もちろん、連帯納付とはいえ、配偶者Bに反対債権が存在すれば本人の時と同様に差押えに応じないとすることができるでしょう。応じる際には配偶者Bの取引内容を十分に確認した上で応じる必要があります。

それにしても、国民年金の保険料に、連帯して納付をする義務を負うという規則があるとは、初めて知りました。